Power Automateで並列承認フローを作る方法|複数承認者向け

Power Automateで並列承認フローを作る方法|複数承認者向け

経理・総務・営業の3人からハンコをもらう申請書が、経理で2日、総務で1日、営業で3日と、机の上を順番に渡り歩いて1週間かかる。

紙の稟議で見慣れたこの光景は、Power Automateで組んだ承認フローでもそのまま再現できてしまいます。

承認アクションを1つずつ直列につないでいくと、前の承認者が応答するまで次の承認者には依頼すら届きません。

急ぎの申請なのに、たまたま2番目の承認者が出張中というだけで止まってしまう。

順番を待たせる理由が業務上とくにない申請であれば、複数の承認者へ同時に依頼を送る並行承認に組み替えたほうが、待ち時間そのものを減らせます。

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承認フローの基本的な組み方はこちらで解説しています。

直列承認と並行承認の違い

直列承認は、承認アクションを1つずつ順番に配置し、前段が承認して初めて次段の承認アクションが起動する組み方です。

稟議のように承認の順序そのものに意味がある申請、たとえば現場責任者の確認を経てから経営層に上げるような場合は、この直列の並びが業務の実態と一致します。

一方の並行承認は、1つの承認アクションに複数の承認者を割り当て、全員へ同時に依頼を送る組み方です。

承認者同士に順序関係がなく、誰から先に返事が来ても差し支えない申請であれば、直列につなぐ理由はありません。

並行にすれば依頼が届くタイミングは全員同時になり、フローが次に進むまでの時間は、一番早く応答した人、または全員がそろった時点までで済むのが直列との違いです。

並行承認には2通りの動かし方があります。

割り当てた全員の承認がそろって初めて完了とする形と、誰か1人が応答した時点で完了とする形で、どちらを選ぶかによって申請が通る速さも承認の重みも変わってくるところです。

並行承認フローを作る手順

並行承認は、承認アクションへの承認者の割り当て、承認の完了条件の設定、応答結果に応じた分岐という3段階で組み立てます。

Step1. 承認アクションに複数の承認者を割り当てる

「開始して承認を待つ」アクションの割り当て先に、承認してほしい人を全員まとめて指定します。

直列にする場合は承認アクションを人数分並べますが、並行にする場合はアクションを増やさず、1つの承認アクションの割り当て先に複数のメールアドレスを入れるだけです。

指定した瞬間に、全員へ承認依頼の通知が同時に飛びます。

Step2. 承認の完了条件を選ぶ

承認をどの時点で完了とみなすかは、同じアクションの設定項目です。

割り当てた全員の応答がそろうまで待つ形にするか、誰か1人が応答した時点で先へ進む形にするかをここで切り替え、全員待ちを選んだ場合は1人でも却下すれば全体が却下扱いになります。

Step3. 応答結果に応じて後続処理を分岐する

承認アクションのあとに条件コントロールを置き、応答結果の値で処理を振り分けます。

承認なら次の業務処理へ、却下なら申請者への差し戻しへとつなげる形です。

誰か1人の応答で完了する形にした場合、条件コントロールで判定できるのは代表して返ってきた1件の結果だけで、応答しなかった残りの承認者の意思は記録に残りません。

承認の記録として誰が実際に判断したかを残したい申請では、この点が判断材料になります。

出典: Microsoft Learn「Power Automate の承認を始めましょう」

どちらのモードを選ぶかの判断基準

全員の承認をそろえる形と、誰か1人の応答で完了させる形は、どちらが優れているという話ではなく、申請の性質によって向き不向きが分かれます。

申請の性質

適した完了条件

理由

稟議・契約など複数人の合意が必須

全員の応答がそろうまで待つ

1人でも反対があれば通したくないため

備品購入など誰か1人の承認で十分

誰か1人が応答した時点で完了

承認者間に優劣がなく、速さを優先できるため

承認者の一部が長期不在になりやすい

誰か1人が応答した時点で完了

全員待ちにすると不在者がボトルネックになるため

監査で承認者ごとの判断記録が必要

全員の応答がそろうまで待つ

個々の応答を記録として残す必要があるため

迷ったときは、却下されたら困る申請かどうかで判断するのが現実的です。

却下1件で止めたい申請は全員待ち、承認さえ1件あれば進めたい申請は誰か1人の応答で完了、という分け方が目安になります。

全員承認と誰か1人承認の違い。却下の扱い→1人でも却下で全体却下か影響しないか、向く申請→稟議・契約など合意必須か備品購入など単独可か、記録→全員の応答が残るか応答者1件のみ残るか

承認者が誰も期限内に応答しなかった場合の扱いは、こちらで扱っています。


こんな課題を抱えていませんか?

「承認者が増えるたびに待ち時間が伸びている」「順番に回す理由が特にないのに直列のまま組んでしまっている」「全員待ちと誰か1人の完了、どちらで組むべきか判断がつかない」

少しでもお心当たりがあれば、お気軽にご相談ください。

現在、Power Automateを使った業務自動化のお悩みをお伺いする 無料の個別相談 を実施しています。

よくある質問

Q. 並行承認にすると、承認アクションの実行回数は増えますか?

増えません。

承認者を複数人まとめて1つの承認アクションに割り当てるため、直列で人数分のアクションを並べる組み方に比べて、アクション自体の数はむしろ少なくなります。

Q. 誰か1人の応答で完了する形にした場合、応答しなかった人には通知が残りますか?

依頼の通知自体は全員に届いた状態のまま残ります。

ただし、承認アクションが完了扱いになったあとに残りの承認者が応答しても、フロー側ではその応答は処理されません。

応答しなかった人への連絡が必要かどうかは、運用側の判断です。

Q. 一部の承認者だけ全員待ち、残りは誰か1人の応答でよいという混在はできますか?

承認アクションを分けることで組めます。

全員待ちにしたい承認者だけを1つ目の承認アクションに割り当て、誰か1人でよい承認者は別の承認アクションに割り当てて、2つを直列または並行に組み合わせる形になります。