社内文書のAI検索ポータル

建築設計事務所 従業員18名 総務
Notion生成AI

想定ケース

ここでは、従業員18名の建築設計事務所で社内文書が散在し「どこに書いてあるか」を人に聞かないと見つからないケースを想定します。

項目内容
業種・規模建築設計事務所・従業員18名
対象部署全社(設計士15名・事務3名)
対象業務規程・手順書・過去プロジェクト情報の検索と共有

お客様の状況と課題

社内情報の置き場としてNotion(メモ・文書を一元管理できるクラウドツール)は導入済みですが、運用ルールがないまま使われてきました。

その結果、就業規程・経費のルール・CADの操作手順・過去プロジェクトの検討メモが、Notionのあちこちのページと個人のフォルダに散在しています。

「出張費の上限はいくらか」「この納まりは前にどのプロジェクトで検討したか」を調べようとすると、まず「どこに書いてあるか知っている人」を探すところから始まります。

探し物と人への確認で失われる時間は、設計士1人あたり週2回・1回10分程度。

聞かれる側のベテランの中断も含めると影響はさらに大きく、若手ほど「誰に聞けばいいか」が分からないため、同じ質問がベテラン数名に集中しています。

実現したいこと

  • 散在する文書をNotionに集約し、置き場所のルールを決める
  • 「出張費の上限は?」のような質問に、AI検索が該当ページを添えて即答できるようにする
  • 人に聞かずに自己解決できる範囲を広げ、ベテランへの質問集中を減らす
  • 過去プロジェクトの検討内容を、担当者の記憶に頼らず引き出せるようにする

改修の概要

現状は、規程・手順書・過去プロジェクトのメモがNotionと個人フォルダに散在しており、探すより人に聞く方が早い状態です。

そのため質問がベテランに集中し、聞く側も聞かれる側も設計業務を中断しています。

改修後は、まず個人フォルダに眠っている文書を棚卸しし、Notion上の3つの置き場へ整理します。

区分は「規程」「手順書」「プロジェクト記録」の3つだけです。

そのうえでNotionのAI検索機能(ページ全体から質問の答えを探し出すAI)を有効にすると、従業員は「出張費の上限は?」と質問するだけで、答えと該当ページへのリンクを受け取れるようになります。

あわせて新しい文書の置き場所ルールも定め、整理した状態が崩れないようにします。

新しいツールを買う話ではなく、導入済みのNotionを「使える状態」に整える改修です。

というのも、散在の原因はツールの不足ではなく置き場ルールの不在にあるため、技術的な構築よりも文書の棚卸しと置き場ルールの設計が仕事の中心になります。

使用する技術構成

役割使用技術選定理由
現場の人が触る部分NotionのAI検索(質問窓口)導入済みツールの機能をそのまま使う。新しいアプリの習得が不要
文書の置き場Notion(規程・手順書・プロジェクト記録の3区分)散在の原因は置き場ルールの不在。区分を3つに絞り、迷わず置ける構造にする
裏側の処理(回答生成)Notion付属の生成AI機能社内ページの範囲で答えを探し、根拠ページへのリンク付きで回答する
運用の仕組み置き場ルール+ページの責任者設定規程系は事務、手順書とプロジェクト記録は各担当と責任者を決め、更新が止まらないようにする

効果試算

前提: 人件費単価4,500円/時(エンジニア・専門職の職種別単価・福利厚生込み概算・推定。

設計士の時間として計上)

項目BeforeAfter
1回あたりの探索・確認時間約10分(探す+人に聞く)約3分(AI検索で該当ページへ)
頻度週2回×15名(年約1,440回)同じ
対応人数設計士15名同じ
年間工数約240時間約72時間
年間人件費換算約108万円約32万円

年間削減効果は約76万円(約168時間)と試算しており、探し物の頻度・時間は社内ヒアリングに基づく仮定のため、導入時に実測で置き換えます。

このほか金額に出ない効果として、聞かれる側のベテランの中断減少、若手の自己解決力向上、そして過去プロジェクトの知見が個人の記憶から会社の資産に変わることが挙げられます。

運用コストの目安(構成パターン別・推定)

構成ランニングコスト(目安)向いているケース
A. NotionのAI機能追加型(本ケースの構成)1人あたり月1,000~2,000円程度のプラン差額Notion導入済みで、文書の置き場もNotionに寄せられる場合
B. 外部のAI検索サービス併用型月2~5万円(サービス利用料)文書がNotion以外(ファイルサーバー等)にも大量にあり、横断検索が必要な場合

Notion導入済みならAが最短です。

構築費用は棚卸しする文書の量によって変わるため、個別にお見積りします。

リスクと対策

リスク内容対策
AIの誤回答文書にない内容や古い情報で答えてしまう回答に必ず根拠ページへのリンクが付く構成にし、金額・期限など重要な値は原文で確認する運用を周知する
古い文書が残る改定前の規程や旧手順が検索に引っかかり、誤答の発生源になる棚卸し時に旧版を削除またはアーカイブ区分へ隔離する。規程の改定時はNotion側の更新をセットにする運用ルールを定める
置き場ルールの形骸化数ヶ月後にまた個人フォルダへ散在し始める区分を3つに絞って迷いを減らし、各区分に責任者を置く。月1回・15分の「置き場チェック」を定例に組み込む
社内情報のAI利用範囲規程やプロジェクト情報をAI機能が処理する入力データを学習に使わない設定・プランであることを契約条件で確認する。顧客名を含む機密プロジェクトは検索対象から除外する区分を用意する

導入の進め方と期間の目安

標準的には、ヒアリング、構築、並行運用、本稼働の4ステップで、合計1.5~2ヶ月が目安です。

期間は推定で、棚卸しする文書の量によって変動します。

Step1. ヒアリング・現状把握(約2週間)

よく探される情報の上位を全員アンケートで特定する。

既存のNotionページと個人フォルダの文書の棚卸しも、この期間に済ませる。

Step2. 構築(約2週間)

3区分の置き場を設計して文書を移行し、AI検索を有効化する。

頻出質問の上位30問で回答品質と根拠リンクの精度を確認する。

Step3. 並行運用(約1ヶ月)

全員に開放しつつ従来通り人に聞く経路も残す。

答えられなかった質問を記録して、文書の追記と配置の修正を行う。

Step4. 本稼働

「まずAI検索」を標準の動きとして周知する。

以後は月1回の置き場チェックと、答えられなかった質問の文書化を回していく。

お客様にお願いすることは、文書の棚卸しへの協力(どれが現行版かの判断)、よく探す情報のアンケート回答、並行運用期間中の誤答フィードバックの3点です。

なかでも、どれが現行版かの判断だけは社内の方にしかできないため、ここが最も重要な協力ポイントになります。

この構成が向く会社・向かない会社

この構成が効果を出しやすいのは、次のような会社です。

  • Notionなどの文書ツールを導入済みだが、置き場ルールがなく散在している
  • 専門職の時間単価が高く、探し物の時間がそのまま高コストになっている
  • 過去案件の検討内容を再利用する場面が多い業種である(設計・コンサルティング・士業等)

逆に、従業員が5名以下で「全部あの人に聞けば分かる」が現実に回っている規模なら、整備コストの方が高くつきます。

また文書のほとんどが紙や図面データで、そもそもテキスト化されていない場合は、AI検索より先に電子化の段取りが必要です。

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