経営数値ダッシュボード

学習塾運営 従業員48名 経営
スプレッドシートLooker Studio

想定ケース

従業員48名・15教室の学習塾運営会社で、生徒数・退塾率・体験申込などの経営数値を月1回の会議資料として各教室長がExcelで報告し、集計に事務2名が3日かけているケースを想定します。

項目内容
業種・規模学習塾運営・従業員48名・15教室
対象部署各教室(教室長15名)・本部事務(2名)
対象業務月次経営数値の報告・集計・会議資料化

お客様の状況と課題

毎月の経営会議に向けて、教室長15名がそれぞれExcelで生徒数・退塾数・体験申込数・入塾率などを報告しており、この報告書の作成に各教室長が2時間程度かけています。

教室ごとにExcelの書式が微妙に違うため、本部事務2名が3日かけて集計し直し、会議資料に整形するのが毎月の恒例です。

報告の締切に遅れる教室があると、集計全体が後ろ倒しになります。

問題は手間だけではありません。

経営数値が見えるのが月1回の会議のときだけで、退塾の兆候や体験申込の落ち込みに気づくのが最大1ヶ月遅れます。

会議で「この数字の内訳は」と聞かれても、その場では答えられず宿題になります。

実現したいこと

  • 教室長の報告作業を、書式を考えずに数分で済む形にする
  • 事務2名×3日の集計作業をなくす
  • 経営数値を月1回ではなく、いつでも最新の状態で見られるようにする
  • 教室別・月別の比較を、会議のその場で掘り下げられるようにする

改修の概要

現状は、教室長15名がばらばらの書式のExcelで月次報告を作り、本部事務2名が3日かけて集計・整形し、月1回の経営会議で初めて全社の数字が揃う、という流れです。

改修後は、各教室の報告を統一フォーム(全教室共通の入力画面)に置き換え、教室長は決まった項目に数字を入れるだけの形にします。

書式を整える作業はもう発生しません。

入力された数字はスプレッドシートに自動で集まり、ダッシュボード(数値をグラフで常時表示する画面)に反映されます。

経営陣も本部も、会議を待たずにいつでも最新の生徒数・退塾率・体験申込の推移を教室別に見られます。

月1回の「集計イベント」をなくし、数字が常に見えている状態を作る改修です。

会議は数字を揃える場から、対策を話し合う場に変わります。

使用する技術構成

役割使用技術選定理由
教室長が触る部分統一入力フォーム(Googleフォームまたはスプレッドシートの入力欄)項目固定・選択式中心で報告のばらつきをなくす。スマホからも入力できる
データの集約Googleスプレッドシート15教室分が1つの台帳に自動で揃う。本部事務は例外確認だけ
経営陣・本部が見る画面Looker Studio(Googleの無料ダッシュボードツール)追加ライセンス費用なしで教室別・月別のグラフ表示と絞り込みができる
裏側の処理スプレッドシートの計算式と簡単な自動化退塾率・入塾率などの指標計算と、未報告教室へのリマインド通知

効果試算

前提: 教室長は管理職の単価3,500円/時、本部事務は事務職の単価2,500円/時で、いずれも福利厚生込み概算・推定です。

月1回×年12回の報告サイクルを想定します。

項目BeforeAfter
教室長の報告作成1回約2時間×15名1回約30分×15名(フォーム入力と補足コメント)
教室長の年間工数約360時間約90時間
本部事務の集計・資料化2名×3日(約48時間)/月例外確認と会議準備 約4時間/月
本部事務の年間工数約576時間約48時間
年間人件費換算約270万円約44万円

年間削減効果は約226万円(約800時間)と試算しており、教室長の削減時間は生徒対応・保護者面談に振り替わる前提で人件費換算しています。

金額に出ない効果: 退塾兆候への早期対応・会議の議題が「数字合わせ」から「対策検討」へ移行・報告遅延による集計の後ろ倒し解消

運用コストの目安(構成パターン別・推定)

構成ランニングコスト(目安)向いているケース
A. Google環境+Looker Studio月0~数千円(既存のGoogle契約内でほぼ完結)コスト最優先。まず月次報告の置き換えから始めたい
B. 塾専用の管理システム型月3~10万円(教室数・生徒数に応じた利用料)成績管理・請求管理まで一体で刷新したい

経営数値の見える化だけが目的ならAで十分です。

生徒情報の管理全体に課題がある場合はBを含めて検討しますが、投資規模が1桁変わります。

構築費用は指標の数と既存データの状態によって変わるため、個別にお見積りします。

リスクと対策

リスク内容対策
生徒数などの経営情報の共有範囲全教室の数字が全教室長に見える状態にするかは経営判断が要る閲覧権限を階層化し、教室長には自教室と全社平均のみ表示する構成も選べるようにする
入力数値の間違い集計は自動でも、元の入力が違えば全体が狂う前月比が大きく動いた項目は自動で警告表示し、本部事務が例外確認する運用を残す
指標の定義ずれ「退塾」の数え方が教室ごとに違うと比較が無意味になる導入時に指標の定義書を作り、フォームの選択肢と説明文に定義を埋め込む
形骸化ダッシュボードを誰も開かなくなる経営会議の議事進行をダッシュボード画面ベースに変更し、紙資料を廃止する
構築者の退職で保守不能内製型の典型的な死に方構成図・計算式の一覧・改修手順のドキュメントを納品物に含める

導入の進め方と期間の目安

標準的には次の4ステップで、合計2~2.5ヶ月が目安です。

期間は推定で、指標の数と定義の整理状況によって変動します。

Step1. ヒアリング・現状把握(約2週間)

現行の報告Excelと会議資料を拝見し、本当に経営判断に使っている指標を絞り込み、定義を統一する。

Step2. 構築(約3週間)

統一フォーム・集約台帳・ダッシュボードを構築し、過去数ヶ月分のデータを取り込んで表示を検証する。

Step3. 並行運用(1報告サイクル=約1ヶ月)

従来のExcel報告と統一フォームの両方で1ヶ月運用し、集計結果の一致と入力のしやすさを確かめる期間である。

Step4. 本稼働

問題がなければExcel報告を廃止し、経営会議をダッシュボードベースに切り替える。

お客様にお願いすることは、過去の報告Excelと会議資料のご提供、指標定義のすり合わせへの経営陣の参加、並行運用月の二重入力へのご協力の3点です。

会議を止める切り替え作業はありません。

この構成が向く会社・向かない会社

この構成が効果を出しやすいのは、次のような会社です。

  • 5拠点以上の多店舗・多教室運営で、拠点からの定期報告を人手で集計している
  • 見たい指標がある程度固まっていて、毎月同じ形で追いかけたい
  • 数字を見て動く文化があり、早く知るほど打てる手が増える業態である

逆に、拠点が2~3ヶ所で集計が半日で終わる規模なら、Excelのままでも大きな差は出ません。

また、指標の定義が経営陣の中で固まっていない段階では、先に「何を追うか」を決めるところから始める必要があります。

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