社内問い合わせのFAQボット化

不動産管理業 従業員160名 総務 / 情シス
チャットボット生成AI

想定ケース

ここでは、従業員160名の不動産管理業で総務・情シス担当への社内問い合わせが月200件を超えているケースを想定します。

項目内容
業種・規模不動産管理業・従業員160名
対象部署総務(担当2名)・情シス(担当1名・総務兼任)
対象業務社内問い合わせ対応(経費精算・各種申請・パスワード再設定等)

お客様の状況と課題

「経費精算のやり方が分からない」「パスワードを忘れた」「慶弔見舞金の申請書はどこ」といった社内問い合わせが、電話・メール・口頭で総務と情シスに集中しています。

件数は月200件超、1件あたりの対応は平均10分。

ただ、負担になっているのは時間そのものより中断の方で、集中して進めたい業務が1日に何度も止められます。

しかも回答の大半は社内規程やマニュアルに書いてある内容で、同じ質問が毎月繰り返されているのが実態です。

管理物件の現場スタッフは日中外に出ているため、夕方に問い合わせが集中し、担当者の残業要因になっています。

また総務担当の1名が長年の経験で何を聞かれても答えられる人になっており、この人の休暇中は回答が翌日以降に持ち越されます。

実現したいこと

  • 規程・マニュアルに書いてある質問は、人を介さず即時に自己解決できるようにする
  • 解決しない問い合わせだけが担当者に届く状態にする
  • 夜間や担当者不在時でも一次回答が返るようにする
  • 「あの人しか答えられない」という属人化を解消する

改修の概要

現状は、社内からの問い合わせがすべて総務・情シス担当へ直接届き、担当者がそのつど規程を確認したり、記憶で答えたりしてしのいでいる状態です。

同じ質問への回答を毎月繰り返しており、担当者の本来業務は1日に何度も中断されています。

改修後は、社内規程・マニュアル・申請書の置き場所などの文書を読み込ませたチャットボット(チャット形式で質問に自動回答する仕組み)を、普段使いの社内チャットに置きます。

従業員はまずボットに質問し、規程やマニュアルに答えがあるものはその場で回答が返る流れです。

回答には必ず根拠となるマニュアルのページへのリンクが添えられるため、従業員は原文をその場で確認できます。

ボットで解決しなかった質問だけが担当者へ引き継がれ、担当者はその分だけを対応すればよくなります。

担当者の役割は、ボットが答えられない例外への対応と、回答の元になる文書の整備の2つに絞られる形です。

使用する技術構成

役割使用技術選定理由
従業員が触る部分社内チャット上のボット窓口普段の連絡に使っているチャットに窓口を置く。新しいアプリを覚えさせない
回答の元データ社内規程・マニュアル・FAQ文書の置き場回答の正解はすべてこの文書群。ボット導入を機に散在していた文書を1箇所に整理する
裏側の処理(回答生成)生成AI(文書を読み取り、質問に合う箇所を探して答えるAI)読み込ませた社内文書の範囲でのみ回答させる設定にし、一般知識での勝手な回答をさせない
裏側の処理(引き継ぎ)未解決時の担当者への自動転送「解決しなかった」ボタンで質問内容がそのまま担当者へ届く。従業員が二度同じ説明をしなくて済む
改善の仕組み質問ログの自動記録何が多く聞かれ、何が答えられなかったかを月次で確認し、文書の追記に使う

効果試算

前提: 人件費単価2,500円/時(事務・総務職の職種別単価・福利厚生込み概算・推定)

項目BeforeAfter
問い合わせ件数月200件(年2,400件)担当者対応は月約90件(自己解決率55%と仮定・推定)
1件あたり対応時間平均約10分同じ(残った分のみ対応)
対応人数3名で分担3名(負荷が減る)
月間工数約33時間約15時間
年間人件費換算約100万円約45万円

年間削減効果は約55万円(約220時間)と試算しています。

自己解決率55%は控えめな仮定で、公開事例では2割減から95%減まで幅があり、文書整備の度合いによって大きく変わります。

金額に出ない効果: 業務中断の減少による本来業務の生産性回復・夜間や担当者不在時の即時回答・ベテラン依存の解消

運用コストの目安(構成パターン別・推定)

構成ランニングコスト(目安)向いているケース
A. FAQ特化のクラウドサービス型月3~10万円(サービス利用料・利用人数による)管理画面やサポートを重視。社内にITに詳しい人がいない
B. 生成AI活用の内製型月数千円~2万円(AIの利用量に応じた従量制)運用コストを抑えたい。文書整備を自社で回せる体制がある

160名規模ならどちらも選べます。

ただBは運用コストが安い代わりに、回答品質の調整と文書メンテナンスを内製(または保守契約)で持つ前提です。

構築費用は読み込ませる文書の量と整備状況によって変わるため、個別にお見積りします。

リスクと対策

リスク内容対策
誤回答AIが文書にない内容や誤った解釈を答えてしまう回答には根拠元マニュアルへのリンクを必ず添える設計にし、従業員が原文で確認できるようにする。回答範囲を読み込ませた文書内に限定する
古い規程が残る改定前の規程が読み込まれたままだと、誤答の発生源になる規程改定時にボットの元文書も同時更新する運用ルールをセットで設計する。文書に改定日を明記し、更新担当を決める
社内情報の外部送信規程・マニュアルをAIサービスへ送る入力データを学習に使わない設定・プランを選定し、契約条件を導入時に文書で確認する
使われず形骸化する従業員が結局担当者へ直接聞きに来る導入時に「まずボットへ」の周知を経営層から発信する。担当者側も口頭質問にはボットのリンクを返す運用で誘導する
個人情報を含む質問給与や評価など、ボットに載せるべきでない質問が来る該当分野は「担当者へ直接」と答える設定にし、回答対象から外す

導入の進め方と期間の目安

標準的には次の4ステップで、合計2~3ヶ月が目安です。

期間は推定で、既存マニュアルの整備状況によって変動します。

Step1. ヒアリング・現状把握(約2週間)

直近数ヶ月の問い合わせ内容を分類して頻出質問の上位を特定し、回答の元になる規程・マニュアルの有無と鮮度も棚卸しする。

Step2. 構築(約3~4週間)

文書の整理・読み込み・ボットの回答調整を行い、頻出質問の上位50問で回答品質をテストする。

Step3. 並行運用(約1ヶ月)

まず総務・情シスと一部部署だけで使い、誤答や答えられない質問を洗い出して文書を補強する。

従来の問い合わせ窓口はそのまま維持する。

Step4. 本稼働

全社へ展開する。

以後は月次で質問ログを確認し、答えられなかった質問を文書へ追記する改善サイクルを回す。

お客様にお願いすることは、過去の問い合わせ記録のご提供、規程・マニュアルの現物のご提供、並行運用期間中の誤答フィードバックの3点です。

文書が古い場合は、更新作業の分担を最初の打ち合わせで決めます。

この構成が向く会社・向かない会社

この構成が効果を出しやすいのは、次のような会社です。

  • 社内問い合わせが月100件以上あり、回答の大半が既存の規程・マニュアルに書いてある
  • 従業員が日常的に社内チャットを使っている
  • 規程・マニュアルの更新担当を決められる

逆に、問い合わせが月数十件なら人が答える方が早くて安上がりです。

マニュアルがそもそも存在しない会社は、ボットより先に文書整備が必要になります。

この場合は文書整備から支援します。

回答が個別事情に依存する質問ばかりの職場も向いていません。

この構成について相談する

相談は無料です。ご相談いただいても、契約の義務はありません。
送信後は2営業日以内に担当者からメールでご連絡し、オンラインの無料相談(30〜60分)で課題を伺います。